tondokoro's willとんちゃんの遺言 

人生の楽しみ方を深く追求していこう!

忘れ去られていた行間

先週日曜日、TVドラマの「あなたの番です」が最終回となった。私が連続ドラマを見るのは1年に2本くらいであるが、このドラマは本当に面白かった。最終回まで黒幕とされる犯人がわからない展開は見事であり、SNSなどでこのドラマの考察が盛んに行われるほどであった。考察も、ものすごい奥深く考え抜かれたものも多く、ここまでやるんかい!というものがあった。ドラマはシナリオ、演技された以外の部分は存在しない。しかしこのドラマは、その演技されていない部分までもが考察されるという、異例なものが多かった。いわゆる行間を読むという行為である。行間とは想像力であって、この想像力を掻き立てることができる作品こそが傑作とされていることが多い。たとえば私の大好きな百人一首。これも、そこに書かれた言葉の中から、それぞれがその詩の意味を紐解こうとする。そこには時代背景があり、詩をつくった人の感情や人生観があり、その意味をすべて理解できるわけではない。それを我々は想像力を使うことによって、その詩に付加価値を見出す。これが教育というものだと私は思う。


目の前に映るもの。他の人の言動。SNSでの個人への批判、マスコミが伝えるもの・・・。これらはある一面からしか物事を捉えていない。何が正しいのか、間違っているのか、その裏側には何があるのか、決して答えはひとつではない。たとえば私を良い人と思う人がいれば、悪いと思う人もいる。つまり世の中にははっきりと見出せる答えなど何ひとつない。あるとすれば真理のみである。この真理の追究こそが教育であると私は感じる。物事を多角的に見れる能力を養うということである。

 

あなたの番ですのラストシーンは、また謎が多いシーンであった。そのシーンに続きはないと私は思っている。あとは我々がシーンに対して想像してみることが大事なのだ。このラストシーンの続きのシナリオをつくるのが、あなたの番です!ということではないだろうか。