人生暇つぶし BYみうらじゅん
人はひとりで生まれてきて、いつかひとりで死んでいく。
命を宿った瞬間、無は有となり、死ぬ時、また無に戻る。
もともと無であった物が、今、ここに有である意味。
おそらくその意味は、そんなたいしたことじゃないと思う。
ならば、もともと無なんだから、有であることを楽しむ。
有はいつかまた無に戻るということを知りながら生きる。
そんな生き方ができれば有であることに価値を見出すことができる。
自分の存在に色んな形で有であることを示しながら生きる。
××会社の社長の〇〇さん。
××クラブの会長さんの〇〇さん。
××ファンの〇〇さん。
××家のお父さんである〇〇さん。
××マニアで有名な〇〇さん。
一体自分にはどれだけの有として〇〇という顔があるのだろうか。
そこに生きる存在として、有であること見出して生きることがすべてなのか。
反対に・・・
ほとんど誰も自分を知らない。誰も自分に気にかけない。誰からも愛されない・・・
はたしてそれは有と言えるのか・・・
しかし、それもまた有であると私は思う。
他人との対象としてでなく、自分が存在していることを実感できる生き方。
それって簡単なようで難しい。
でもそれが正解なのではないかと私は思う。
もともと無いんだし、いずれ無になるんなら、
有である間、そこを何かで埋めていけばいい。
それはできれば楽しいことが多い方が良い。
苦労は買ってでもしないさい!とかよく言う。
だったら苦労を楽しめる人間になればいい。
そんな発想で色んなものを埋めていく。
限られた時間の中で埋めていく。
まるでゲームをするかのように埋めていく。
それが私の考える「人生暇つぶし」への解答とする。