数年前、百人一首にはまっていた時期があった。
100作品すべて暗記することが目的だった。
あまり記憶力が良い方ではないので、
何も見ないですべて言えるようになるまで、
2ヶ月近くかかった。
ちなみに現在、ほとんど言えなくなった(笑)
全部覚えると、今度は歌の内容が気になるようになってきた。
現代訳だけみると、どこか淡々とした感じがするが、
そんな淡々とした内容の和歌の作品集が、
1000年以上たった今でも日本人の文化の中に残っているわけがない。
つまり、百人一首は日本人の心というものが、
昔から現代へと繋がっていることを証明している、
とても素晴らしい作品集なのだ。
日本には昔から「察する」文化がある。
今では「思い遣り」や「おもてなし」など、
日本人は感情をストレートに表現するような人種ではなかった。
それは百人一首の作品を見ればわかる。
その言葉の中に秘められた作者の思いや、
その作品の時代背景、言葉遊び。
ひとつの作品に様々なエッセンスが含まれている。
それを我々がどう詠むか。
詠む人の想像力によっても、
その作品の姿は変わっていく。
だからこそ面白いし、
日本人の心を掴んで離さない。
四十四番歌
逢うことの
絶えてしなくは
なかなかに
人をも身をも
恨みざらまし
直訳すると、
男女の関係が世の中からなくなってしまえば、
相手も自分も恨まずにすむのに!
この歌もまた深い。
こんな表現する人種は
間違いなく日本人だけだろう!
恋することの辛さや
片想いの辛さが伝わってくるし、
恋は苦しいからこそ
素晴らしいものだ!
という風にも感じる。
男女の関係は今も昔も変わらないんだなあ!
なんて思ったりする。
槙原さんもこの手の気持ちを歌っていたような(笑)
ひとつひとつの作品の中に、
様々な日本人の心が見え隠れしている。
私もたまには百人一首を詠んで、
日本人の感傷に浸ってみよう!
今日の1枚
これは究極の解説本