うちの会社には20代の従業員が1人いる。
彼は2年間勤めて遅刻なし、
無断欠勤は1回か2回程度。
現場見習いからはじめて2年が経ち、
技術的に向上しているよりも、
きびきびと動くし、
言われたことはちゃんとやる。
現場では非常にまじめなタイプ。
これだけ聞くと何も問題ないかのように思える。
しかし現実、その裏で様々なことがあった。
彼はある施設からの紹介で、
彼を社会的にひとり立ちさせるために、
うちの職場で働かせて欲しいということだった。
とにかく働いてみないと何もわからない。
私はとりあえず承諾し、まずは3か月間雇うことを約束した。
結果、多少の問題はあったが、
非常に勤勉だったのでそのまま採用し現在に至っている。
彼は今までの人生、
様々な人に支えられて生きてきた。
はっきり言えばいわゆる問題児だったのである。
このまますんなり仕事に従事していけば何も問題がないが、
そんな簡単に一筋縄で行くわけがない・・。
彼は今年の夏から、
人生ではじめてひとり暮らしをするまでに至った。
これも様々な方の支援があってこそである。
その支援を裏切るようなことは決してしてはいけない。
彼にはそれを肝に命じて生活するように指導した。
しかし・・
20代の若さ、人生初めての一人暮らし、初めての自由・・。
そんな状況で自分をコントロールすることはなかなか難しい。
仕事はまじめやっているのだが、
プライベート面で大きな歪みが出てきた。
この歪みが彼が窮地に追い込まれる原因となってしまった。
ここで私が彼を見放す(解雇する)か、
もう一度チャンスを与えるか、
そこまで来てしまった・・。
私は様々なことを考慮した結果
そのまま彼を雇っていくことにした。
私が今彼を見放すと、
彼にはその後転落の人生が待っている。
そのことを彼に理解させた。
ここが人生の正念場。
仕事に集中して他人に迷惑かけずに生きること。
そうすれば必ず未来は開けていく。
私は彼に3つの約束をさせた。
この3つのうち、
1つでも約束を破ったら解雇することを告げた。
普通に生活していればとても簡単な3つの約束。
しかしこれが彼にとっては難しいかもしれない。
しかし間違いなくここが彼の人生の岐路となる。
まっすぐな普通の道を歩いていく人生。
たとえ寄り道にそれても、
また普通の道に戻ること。
この普通の道こそが最も尊いのだ。
お天道様の下、
堂々と胸を張ってその道を歩けること。
彼の未来に幸あれ!
今朝の1枚
やっばりい朝陽はいいね!